本文へジャンプふるさとの山に向かいていふことなし古里の山はありがたきかな
つまご屋のさくらんぼ
佐藤錦、南部町便り
佐藤錦、安美錦、
さくらんぼ
青森県南部町はつまご屋の田んぼからタニシを獲った
私がコレステロールを管理するわけ
古里の南部町と馬淵川と名久井岳そして達者村
わらで縄をなう
うまいまるごと普代海産祭り
師走る人々
めがね的愚考生活
南部町のえんぶり
阿房宮(食用菊)
の里・南部町
不思議な謎にセマル、目からうろこの物語
食べ物の記憶
湊朝市
あのなっす・さろん
ヤギのちっち
ジャガイモの味と夏休みカッパになる
西女
南部町のいいところ
芸術のことはよくわからない
えんぶりの神様
昔、むかしの豆しとぎ
ベゴ(牛)とだだ(父)とワ
(私
)と
想い石
味噌は手前味噌
佐々木ラジヲン
六月のヘリコプター
爆発するルネッサンスとお祭り
正月
正しい初夢の見方、白蛇の存在
さげじょの夜
十二支のオトシ子
旅はみちずれ、または股ずれ世は情け、踊る阿呆
旅の函館、かからん
ケツ(房総編2)
支えられて人になる
(房総編3)
絆をつなぐ(房総完結編)
ふるさと南部町りんごのかまり

八戸湊朝市ぶらぶら武士

かえるの漂着、木枯らし吹く秋の終わりの旅人よ
男蝉、女蝉
えんぶり考
盆にはぞうりがいい
稲穂を拾う人
郵便配達人
母の靴下
蕎麦とネギと国道
104号線
古里の秋祭り
剣吉かいわい
ざわめく心
芳川さん


 ざわめく心


稲荷沢から吹く風が優しくさらい、みよ子の髪をなで

心、おどり胸は張り裂け、みよ子の唇は微笑み手は暖かく

リズム軽やかに彼女の汗は胸につたい心ざわめく。


  それは母や姉の匂いと違い、女を感じる。


みよ子のそれは十七、八の小娘と違い優しく包み込み溺れる。

  朝のみよ子の背中を見つめうつら、うつらの覚えのなかで一指し指でみよ子の背骨を

押し数を数えるのが好きだ。

みよ子は肩をすぼめ、くすぐったいからやめろといいう。

朝のひと時はゆるやかに流れ陽の光の窓がふたりを照らし、まどろみの中のみよ子

  の髪、口、手、声を感じる。


みよ子のくちびる、笑顔、足のくるぶし

みよ子のひとつ、ひとつの面影を忘れない。

村の青年団の集まりでみよ子が男と、ひたしげに談笑しているのがきにいらない


五月になれば、みよ子にあえる、田植えの時期になればきっと会える。

それまではここで我慢しねばならねえ。


 

ざわめく心は風のうわさ、出稼ぎにでてから一年、今ごろは雪もとけて

 蕗の蕩が芽をだしているころ、みよ子は電話にでない。


出稼ぎ仲間は、飲め、飲め、みよ子のことは忘れろ

 おまえのほかに好きな男がいるんだ、あきらめろ。


  ざわめく心のわびしさよ、酒と仮の女とざわめく心