ざわめく心
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南部弁講座 身体編 しねから 足のすね 応用例 齢とったきゃしねから痛ぐなったじゃ
子供は遊びの天才
山であれ川であれ遊ぶ場所
があれば自然の中へ飛び込むことができ
川へ入れば魚になり
山に入ればターザンになることができる。
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ジャガイモの味と夏休み、カッパになる
夏休み、早ぐくればいい夏休みまでなあ、夏休みまであと十日もある、夏休みになったら
川さ、行って遊ぶびゃ、こんなにおっきい鯉がいるえ、と両手をいっぱい
広げてマサがいう。みんなは、すんげえなあ、と言い早速、鯉を捕まえる
相談をする。学校での昼休み、よく4〜5人教室の隅に集まってこんな
相談をしていました。
早ぐ夏休みが来ればいいなあ
待ちに待った夏休み、カンカンでりの太陽の下、目的の鯉はみつからない。
いらしゃいませ、よく私を捕まえに来てくれましたといって
まな板の鯉のように、まな板の上に身を預けるような鯉は馬淵川の流域を
探してもなかなかいないでしょう。
本当は鯉なんてどうでもいいので川で遊びたいのです。
ばしゃ、ばしゃ、きゃっ、きゃっと騒ぎ水の中にも1時間、唇はあおく、身体は
がたがた震え、それでも夢中になって川から上がろうとしない者はもうカッパに
なろう。このカッパたちは悪さもし対岸に泳いでいき畑からジャガイモを掘り
海水パンツに詰め込んでまたこちら側へもどってくる荒技は水泳の達人か
無茶なアホなのか、
あのときは死ぬかと思った。
たくさんのジャガイモ達がパンツのなかで泳ぎまわりなかなか前へ進まない、みんな
と離れてゆく、これはもうカッパの川流れである。
カッパが溺れたら代々末々までカッパの恥で後ろ指をさされるのだ。
そういわずにサルも木から落ちることもあるようにカッパだって溺れることもあるのだから、
そんなとき藁(わら)を投げたやつは誰だ「溺れる者は藁をもつかむ」なんてね。(笑)
ランニングシャツに半ずぼん、その下には海水パンツ、麦わらぼうしと水メガネ
日に焼けてどこが口か鼻かわからない。ニッと笑うと白い歯だけがうかびあがる。
マサ、シュウ、オサ、テル、かっちゃんがいつものメンバーでかっちゃんだけがなぜ、
ちゃんがつくかというと都会から夏休みに親戚へ遊びにきた子供で
僕らとはちょっと違ってインテリっぽく
やはり都会からきた子供は違うなあ、しゃべる言葉もちがうし語尾になんとか、かんとかで「ね」
というし着ている服は真っ白な半そでシャツで黄ばんだランニングシャツではない。
誰かがマッチを持ってきていて、みんなで手分けし焚き木を
集め火をもしジャガイモをほうる。泳いでいるから腹が空き最高のごちそうなのだ。
アツアツのジャガイモみんなで食べる。
あのときのジャガイモの味はどんな味、遠い過去をたんすの奥の引き出しから
抜いてごらん、その味は格別、一生で食べたうちのジャガイモの最高の味なのです。
これはある夏休みの汗と涙と笑いの
仲間が始めて困難な仕事?をやり遂げた満足感と仲間意識が強まった出来事です。
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